大会概要

1.会議名

和文名:国際第四紀学連合第19回大会
英文名:International Union for Quaternary Research, XIX Congress (略称:INQUA Congress 2015)

2.主催・共催・後援・協賛 (2013年10月1日現在)

主 催: 国際第四紀学連合、日本第四紀学会、日本学術会議

共 催: 33学会・協会・研究会

後 援: 4学会

協 賛: 3学会

⇒ 詳細は、主催・共催・後援・協賛のページへ

3.母体団体

和文名:国際第四紀学連合(INQUA:International Union for Quaternary Research)

4.開催時期

平成27年7月26日(日)〜8月2日(日)[8日間]

5.開催場所

・名古屋国際会議場(〒456-0036愛知県名古屋市熱田区西町1-1 TEL:052-683-7711)
・名古屋大学   (〒464-8601愛知県名古屋市不老町):市民公開講座のみ(2015年7月26日)

6.参加予定者数

50カ国/地域・1,100人(国外:750人、国内:350人)

(アメリカ,カナダ,日本,台湾,オーストラリア,オーストリア,ベルギー,ブラジル,コロンビア,クロアチア,チェコ,デンマーク,エストニア,エジプト,フィンランド,フランス,グルジア,ドイツ,ギリシア,ハンガリー,インド,アイルランド,イスラエル,イタリア,韓国,ラトビア,メキシコ,モルダビア,モザンビーク,オランダ,ニュージーランド,ノルウェー,ポーランド,ポルトガル,ロシア,南アフリカ,セルビア,アルゼンチン,スペイン,スウェーデン,スイス,ウクライナ,イギリス,中国,インドネシア,タイ,マレーシア,ヴェトナム,フィリピン,シンガポール … 以上、50カ国・地域)

7.開催状況

原則4年ごと

[過去の開催状況(全開催状況は[INQUAとその歴史|INQUA大会をご覧ください])]
開催年 開催地 参加国数 参加者数 日本人参加者数
1928年(第 1回) デンマーク(コペンハーゲン) 17ヶ国 102 0
1999年(第15回) 南アフリカ(ダーバン) 52ヶ国 651 24
2003年(第16回) 米国(リノ) 52ヶ国 1,059 46
2007年(第17回) オーストラリア(ケアンズ) 51ヶ国 1,005 47
2011年(第18回) ベルン(スイス) 68ヶ国 2,020 83

8.会議の意義・目的

国際第四紀学連合は、その定款の中で、目的を以下のように定めている。1) 第四紀に関するすべての科学的問題についての学術的研究を奨励すること、2) 国際会議の開催,ならびに特別な問題研究のために設置された研究委員会およびその他の団体を通じて、第四紀研究に関する国際協力を促進し、調整すること。本会議はこの目的に従い、国際会議を通じて研究の推進や情報や研究者の交流を促進することにある。また初めて日本で開催されることから、日本の先進的な研究を世界に発信すると同時に、海外の幅広い研究者と研究の最前線で交流をすすめることにより,日本及びアジアの研究を促進することにある。

9.会議開催の経緯と概要

(1) 国際第四紀学連合第19回大会は、国際第四紀学連合(International Union for Quaternary Research:INQUA)が4年ごとに開催する会議であり、1928年の第1回から当会議で19回を迎える第四紀学分野で最も歴史のある国際会議である。第18回大会(2011年7月,スイス,ベルン市)の期間中に開催された国際評議員会ならびに総会において、第19回大会を2015年7月から8月に日本で開催することが決定された。これを受け、日本第四紀学会は、日本開催準備のために、日本学術会議INQUA分科会と共同で、国際第四紀学連合第19回組織委員会を2011年に設置し、開催の準備を進めることとなった。日本での開催は今回が初めてであり、この度の日本開催では、世界のトップレベルの研究者が一堂に会し、最新の研究成果について討論や発表が行われ、第四紀学の発展とその応用展開を図ることを目的としている。

(2) 第四紀学は、地質年代のうちの第四紀と呼ばれている現在を含めた最も新しい時代区分に発生した事象を学際的に研究する学問である。地質学や地理学などの関連する地学分野のみならず、考古学、人類学、古生物学などを包含した広い学問分野と相互に関係しながら研究が遂行されている。近年は、高精度の古環境復元に関する研究や歴史記録が行われるよりも古い時代に発生した自然災害を明らかにする研究が著しい発展を遂げており、過去から現在を理解し、未来に貢献する研究が大きな成果をあげてきている。
第四紀学は、地球科学分野における日本の研究水準を高め、世界における環境問題の解明に対して多大な貢献をしており、今後の発展が大きく期待されている分野である。

(3) この度の国際第四紀学連合第19回大会では、「第四紀学からみた気候変動・自然災害・文明」をメインテーマに、自然災害軽減のための第四紀研究、気候・海水準・環境変動予測高度化のための過去の変動の理解と定量化、人類と環境の動的相互作用の解明、第四紀層序学・年代学のための新しい技術と成果の統合を主要題目として、研究発表と討論が行われることとなっており、その成果は、第四紀学の発展に大きく資するものと期待される。

(4) この会議を日本で開催することは、我が国における第四紀学の成果を全世界の研究者に大きくアピールし、多くの研究者の参画を促す絶好の機会となるとともに、我が国のこの分野の科学者に世界の多くの科学者と直接交流する機会を与えることとなり、我が国の第四紀学に関する研究を一層発展させる契機となる。また、この会議では社会のための第四紀学を目指して、この機会を活用し、関連研究分野との連携や融合を計る予定である。更にこの会議に合わせて普及講演会等を行うことにより、第四紀学研究者がこれまでに明らかにしてきた知見を社会に還元し、科学に関する一般社会の興味を大いに高めることが期待される。

10.会議構成

(1)テーマ・主要題目
  メインテーマ:「第四紀学からみた気候変動・自然災害・文明」
  主要題目:
   自然災害軽減のための第四紀研究、気候・海水準・環境変動予測高度化のための過去の変動の理解と定量化、
   人類と環境の動的相互作用の解明、第四紀層序学・年代学のための新しい技術と成果の統合

(2)会議使用言語
  英語(同時通訳:なし)

(3)会議プロシーディングス
  これまでの通例に合わせて、大会終了後に国際第四紀学連合が発行している刊行物(Quaternary International)の特集号として刊行する予定。

(4)展示内容
  学術展示:研究機関・研究プロジェクト紹介
  企業展示:書籍、分析機器、分析・解析企業
  本会議と連携して、公的な博物館において第四紀学の研究を展示(計画中)

11.会議における特筆すべき事項

 国際第四紀学連合の大会は、現在の含めた地球環境変遷を学際的に包括する研究分野として最も歴史のある国際会議である。2015年の日本での開催は、アジア地域では1991年の中国(北京)での開催に次いで2回目の開催であり,日本では初めての開催となる。

 今回の大会では、「社会のための第四紀学」を目指して、気候変化や自然災害による防災の軽減や持続的な社会発展や環境保全を考慮した第四紀学を念頭に、理学、工学、人文社会学の関係者が一緒に議論できる場を提供したい。
また、リテラシーの向上と社会への還元を目途に、大会前日の7月26日に名古屋大学で自然災害等に関する普及講演会を予定しており、会議の前後に公立の博物館において、第四紀学に関する特別展示と講演会、また新聞などによる連載を検討中である。

12.会議主催者代表・連絡先

(1)主催(申請)学術研究団体
  日本第四紀学会(任意団体)
  会長:小野 昭(オノ アキラ)[明治大学・特任教授]
  事務局担当者:中野利洋[株式会社春恒社]
  〒169-0072 東京都新宿区大久保2-4-12 新宿ラムダックスビル10F
  TEL:03-5291-6231 / FAX:03-5291-2176 / Mail:daiyonki@shunkosha.com

(2)設置委員会
  名称:国際第四紀学連合第19回大会組織委員会
  委員会の設置(発足)年月日:平成23年8月30日
  主催(申請)学術研究団体との関係:日本第四紀学会によって設置が承認された外部委員会
  代表者:委員長:齋藤 文紀(サイトウ ヨシキ)[(独)産業技術総合研究所・首席研究員]
  TEL:029-861-3895 / FAX:029-861-3747 / Mail:yoshiki.saito@aist.go.jp
  [その他の委員]
  ・副委員長:遠藤 邦彦(エンドウ クニヒコ)[日本大学・名誉教授]
  ・副委員長:奥村 晃史(オクムラ コウジ)[広島大学大学院文学研究科・教授]
  ・学術プログラム委員長:小野  昭(オノ アキラ)[明治大学・教授]
  ・国際・PAGES対応委員長:横山 祐典(ヨコヤマ ユウスケ)[東京大学・准教授]
  ・巡検委員長:鈴木 毅彦(スズキ タケヒコ)[首都大学東京・教授]
  ・会場委員長:中村 俊夫(ナカムラ トシオ)[名古屋大学・教授]
  ・広報委員長:兵頭 政幸(ヒョウドウ マサユキ)[神戸大学・教授]
  ・財務委員長:松浦 秀治(マツウラ シュウジ)[お茶の水女子大学・教授]
  ・招聘委員長:渡邊 眞紀子(ワタナベ マキコ)[首都大学東京・教授]
  ・募金委員長:竹村 恵二(タケムラ ケイジ)[京都大学・教授]
  ・出版委員長:出穂 雅実(イズホ マサミ)[首都大学東京・准教授]

(3)連絡代表責任者
  国際第四紀学連合第19回大会組織委員会
  委員長:齋藤 文紀(サイトウ ヨシキ)[(独)産業技術総合研究所・首席研究員]
  代表者:委員長:齋藤 文紀(サイトウ ヨシキ)[(独)産業技術総合研究所・首席研究員]
  TEL:029-861-3895 / FAX:029-861-3747 / Mail:2015inqua-sec-ml@aist.go.jp, yoshiki.saito@aist.go.jp

13.会議の主題となる学問分野と近年の研究成果の状況

 第四紀学は,最も新しい地質年代区分である過去258万年(第四紀)の環境変動・自然災害,人類進化と文明の発展を解明して人間と地球の関わりを理解し,未来の地球環境や災害を予測することを目的とし,地質学,地球物理学,地球化学,地理学,生物学,考古学,人類学などを統合した極めて学際性の高い研究分野です.第四紀は,地球気候の寒冷化と温暖化が交互に起こり,それに伴い高緯度の大陸氷床と山岳氷河の拡大と縮小,また連動して海面の昇降や,動植物の生物分布の移動等が繰り返し起こった自然環境変化の激しい時代でもあります.またこの間に人類は,原人から新人に進化するとともに,熱帯から寒帯まで,旧大陸から新大陸やオセアニアにまで分布範囲を広げ,完新世(過去1.17万年)になると,世界各地で農業を開始し,自然に適応するとともに自然を改変しつつ,様々な文化と文明を発展させてきました.産業革命以降,特に1950年頃以降は,地球環境そのものが大きく人類によって影響を受け,温暖化や海水面の上昇に代表されるように将来の地球環境が懸念されています.第四紀の始まりは,最新の古気候研究に基づいて,2009年6月30日に国際地質科学連合 (IUGS)により,従来の181万年前から258万年前に再定義されました.第四紀の中は,更新世と完新世の二つに区分されています.しかし,近年の人間活動が地球環境に与えた影響が非常に大きい事から, 完新世から近年を分離してAnthropocene(人新世/人類世)を正式な名称とするかどうかの議論が行われています.

 以上のような地球環境,特に気候変化や人類史の研究に加えて,自然現象である,地震,火山なども第四紀に含まれます.持続的な人類の発展のためにも,自然災害への対策や減災は重要であり,過去に起こった現象は,現在の理解と将来予測に欠く事のできない,重要な情報です.多くの観測記録が取得され始めた近年以前の自然現象の痕跡は,古文書や地形・地質に記録されており,これらの研究も第四紀学の重要な研究テーマの一つです.

 国際第四紀学連合第19回名古屋大会では,『第四紀学からみた気候変動・自然災害・文明』をテーマに,自然災害対策,気候・海洋・環境変動の予測と対応,人間と環境の動的関係,第四紀年代層序学の技術革新等を検討する予定です.多くの自然災害を経験してきた日本で初めて開催される本大会は,日本における先進的な研究や経験を強力に発信すると同時に,海外の幅広い研究者と研究の最前線で交流をすすめることにより,日本とアジアの研究を今後更に発展させることが期待できます.本大会では,以下の4つの研究分野に特に焦点をあてて,取り組む予定です.

◎自然災害リスク軽減のための第四紀研究

 自然災害をもたらす大地震や火山噴火の研究における第四紀学の役割は,現在から数十万年前まで時間を遡って過去の履歴を精密に復元し将来を予測するところにあります.これは過去の気候変動や環境変動の研究が将来の変動予測の基礎となっていることと同様です.2011年東北地方太平洋沖地震と津波による激甚災害は世界の注目を集め,災害リスクの軽減に関する第四紀学への期待はこれまでになく高まっています.

 1990年代から相次いだ内陸直下型地震,海溝型地震による大きな被害は,災害予測とリスク軽減のために過去の災害履歴を精査して合理的な将来予測を実現することの必要性を強調するものでした.第四紀学はこれに応えて,活断層・古地震調査による地震動予測や,津波の痕跡に基づく津波遡上高や浸水域の予測に大きな貢献をしてきました.アメリカ合衆国や日本で実現した第四紀の記録に基づく長期的地震危険度評価と地震動予測図は耐震設計や災害対応のために広く活用されています.また,北海道(17世紀)や東北地方(869年),合衆国北西岸(1700年)を襲った巨大な地震と津波は歴史記録を欠くために最近まで詳細は不明でしたが,第四紀の研究によって初めて実像が明らかにされてその情報は防災にも活かされています.地層や地形に痕跡を残さない巨大地震や,災害に対し極端に脆弱な地域で起こる大災害のリスクを軽減するための努力はなお必要ですが,世界の多くの地域では第四紀学の貢献によって着実に災害リスクが軽減されています.

 氷床コアや地層に残されている火山噴出物は,第四紀の層序・年代を定量的に解明して広い地域に共通な時間尺度を与えることができると同時に,繰り返し発生した大規模な火山噴火の貴重な記録でもあります.その記録をもとに,頻繁に起きる小規模な噴火とごく希に起きる壊滅的な巨大噴火の発生の状況,噴出物の分布,および生物・人類への影響まで,第四紀学は実証的な解明に努めています.地球物理学的な火山観測に基づく短期的な予測に加えて,地質記録からしか知ることのできない巨大噴火を知ることは,火山と人類の関わりを考え,長期的な災害リスクを軽減するために大変重要です.

 また,近年の気候変動に伴って,巨大台風や集中豪雨,大雪など極端な気象現象による災害が増加する傾向にあるともいわれています.大規模な洪水,土石流,地すべりと崩壊は地震・火山現象と同様に第四紀学の研究対象であり,特に人口と産業の集積により脆弱性を増している大都市の災害を予測しリスクを軽減する研究が進展しています.

◎気候・海水準・環境変動予測高度化のための過去の変動の理解と定量化

 2007年に発表された、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第4次評価報告書(AR4)の第一作業部会報告書(Physical Science Basis)では,古気候の章が独立して設定され,現在進行中の温暖化が人為起源の温室効果ガスによるものと結論しました.また,将来の気候変動のより良い予想のためには,大循環モデル,特に大気海洋結合大循環モデルの動作特性の理解の深化が重要で,過去の気候データによるモデル計算結果の制約が重要とされています.将来の気温の上昇については,AR4にて西暦2100年時の気温上昇可能性幅が0.6-6.4 ℃とされていましたが,過去数年間の予想規模では2℃以上とされ,AR4の予想幅の中でも高いエンドメンバーの軌道をとっていることが,国際誌のNature などで2009年に複数論文によって報告されています.一方,人類の活動に直接的に大規模に影響を与える海面変動については,後氷期における最高海水準が現在よりも0.18-0.59m高かったことが報告されていましたが,氷床のダイナミックな短期的変動による急激な海面上昇については考慮されていません.また,近年では地球回転や表層の荷重再配分にともなう上昇幅の地域性についての研究成果も相次いで報告されています.2012年11月に公表された研究成果では,少なくとも海面上昇は1m/百年にもおよぶとされており,最終間氷期において認められた値と近いとする成果が国際誌のScience に発表されています.この規模については今後,引き続き議論が続いて行くと思われます.また,水循環変動についての予測はモデル間での予測の差に大きな開きが認められています.一時期,議論の中心になっていた温暖化環境下での熱帯低気圧の数の増加については,可能性が少ないとされつつありますが,それぞれの低気圧の規模は大規模になるとされ,人間活動へのダメージが一段と大きくなることが危惧されてきています.現在IPCC の第5次評価報告書が作成されており,第一作業部会報告書が2013年に,第二と第三作業部会報告書が2014年に出版される予定です.2015年に開催される本大会では,これらの報告書をベースに更なる議論が行われることが期待されます.

◎人類と環境の動的相互作用の解明

 このテーマには,1)人類の進化と自然環境への文化適応,2)現生人類の起源と行動の多様性,3)後氷期の環境変化と文化の多様性,4)先史時代における海洋交通,5)完新世後期の環境変化と文明などが含まれ,複雑に変動する自然環境変化に人類がどのように応答したのかがその内容となります.特にこの10年間は日本列島を含む東アジアならびに北アジアに現生人類(ホモ・サピエンス)が,何時,どのように拡散し出現したのかが大きな話題を提供してきました.またこの地域でネアンデルタール人と現生人類がどのように交替したのか,あるいはごくわずかながら交配があったのかが広い関心を集めています.

 膨大な数に上る石器資料とそれを使った人類がどのような関係にあったのか,道具と人骨の関係の分析も盛んにおこなわれ,化石人骨のDNA 分析の関係も新しい話題を提供しています.いずれのテーマも,国際誌のNature やScience の誌上で多様な論争が展開されており,2015年に名古屋で開催される国際第四紀学連合第19回大会でも主要なセッションとして世界各国からの研究者の話題提供と大きな貢献が期待されます.

◎第四紀層序学・年代学のための新しい技術と成果の統合

 第四紀研究の目的の一つは,過去の地球環境変化を精査し,確立された古環境変化を基にして近未来の環境変化を高確度で予測することにあります.過去の地球環境変化の解析には,分析試料として,時間的に連続して蓄積された海洋堆積物,湖沼堆積物,陸上堆積物などが,また,分析項目として,堆積物中に保存されている生物化石,鉱物粒子,また微量に混入した有機・無機の分子・原子などの存在形態や存在量などが用いられます.さらに,これらの環境要素データの蓄積と共にその環境変化の年代を正確に設定することが不可欠です.

 近年の技術革新と共に,年代測定法は急速な発展を遂げています.化学操作法の進歩による微量試料の取り扱い,精密機器による高感度・高分解能な微量分析,高性能エックス線透視撮影,3 次元断層撮影や小型テレビカメラによるデジタル画像の高位置分解能の解析,自動化された機器による数千〜数万点に及ぶ膨大な数の試料の分析,などが可能となり,またパーソナルコンピューターの進歩によるデータ解析・蓄積・交換が容易に行えるようになってきました.特に,極微量の宇宙線生成放射性核種を加速器質量分析により計測する年代測定,レス・古土壌・火山噴出堆積物のTL・OSL・IR-SL 年代測定,連続した堆積物の古地磁気法による年代測定などが,第四紀試料に積極的に応用される段階に発展していると同時に,これらの年代測定法を組み合わせて正確度の高い年代測定を目指す研究が推進されています.本大会では,こうした革新的な技術に基づいて年代測定研究を推進している各分野の最先端研究者より,年代測定研究の現状と問題点が報告されると期待されます.